「巳」という字は、胎児の姿を表した象形文字だそうです。
また、蛇が冬眠から覚めて地上にはい出す姿を表しているとも言われ、
「従来の生活に終わりを告げる、始まりのとき」といった
意味があるようです。
さて、今年はどのようなことが始まるのか。。。
↑大きな門松が参拝者を出迎えてくれた
奈良県桜井市三輪の「大神神社」
巳年となる今年は「蛇神」を祀る
大神神社(おおみわじんじゃ)へ初詣!!
別名、三輪明神、三輪神社とも呼ばれる
日本最古の神社、大神神社は
奈良盆地をめぐる円錐形の山、
三輪山そのものがご神体(神体山)で
本殿をもたず拝殿から三輪山自体を拝む古神道(原始神道)の神社です。
三輪山に鎮座する大物主大神は、
水神・雷神を司る「蛇神」なんだとか。
↑お正月だけあって、参道はたくさんの人で賑わっています
人がとぎれるのを待って写真を撮りました。
↑蛇があしらわれた手水舎で手と口を清め、拝殿へ
本殿は設けず、この拝殿の奥にある三ツ鳥居を通し、
ご神体となる三輪山を拝するという、
原初の神祀りで参拝します。
↑大きな杉の木の前には
巳さんの好物とされる卵が、酒とともにお供えされています
江戸時代には、「雨降杉」とあり、雨乞いの時に里の人々が集まり、
この杉にお詣りをしました。
いつの時代からか、杉の根本に、巳(み=蛇)さんが
棲んでいると言われるようになり、
「巳の神杉」と呼ばれるようになったそうです。
↑三輪山への登拝口の入り口に、大神神社の摂社となる
「狭井神社(さいじんじゃ)」があります。
狭井神社は、古くより華鎮社(はなしづめのやしろ)と称され、
病気を鎮める神様をお祀りしています。
みんなそれぞれ無病息災を願って参拝しているのでしょうか。
↑狭井神社の裏にある「薬井戸(くすりいど)」
この井戸から湧き出る水は、万病に効くと言わるご神水。
社名の「狭井」とは、神聖な井戸・泉・水源という意味があるようです。
薬井戸のご神水は、自由に飲むことができます。
私もいただきました。
なかには、ペットボトルなどに汲んで持ち帰る人もいますが
狭井神社の社務所でも、ペットボトルに汲まれたお水が
売られているので、容器を忘れても大丈夫ですよ。
↑三輪山への登拝口
ご神体となる三輪山は、松・杉・檜などの大樹に覆われ
山内の一木一草に至るまで神宿るものとして、
一切斧(おの)が入れられていません。
神宿る山ゆえに、早い時代からみだりに
足を踏み入れることの出来ない禁足(きんそく)の山となり、
江戸時代には幕府より厳しい制札が設けられ、
神社の山札がないと入山することは出来ませんでした。
明治以降は、この伝統に基づいて
「入山者の心得」が定められ、
現在ではこの規則を遵守すれば登拝(とはい)することが出来ます。
狭井神社(さいじんじゃ)の社務所で、申し込みを行い
お祓いをすませて登拝します。
往復所要時間約2時間、多くの入山登拝の人たちが
山の中へと進んで行き、頂上付近の磐座を熱心に拝むのだそうです。