謹賀新年
2012年12月21日で終わりを告げたマヤ暦。
2013年、新しい年の幕開けです。
これからは、マヤ文明も予言できなかった(しなかった?)
時代が始まります。
私は、淡路島最高峰の諭鶴羽山(ゆずるはさん)から
初日の出を拝み新しい年をスタートしました。
↑諭鶴羽山からの初日の出。
凛と冷たい空気に身も心も引き締まります。
それもそのハズ、この日の山頂付近の気温は氷点下3度!
それもで毎年、この風景が見たくて初詣にここへ来るのです。
淡路島の南部を東西に連なる諭鶴羽山の標高は607.9m。
もともとは608.3mだったのですが、阪神淡路大震災のあと
再度、計測した結果40cm低くなっていることが判明したそうです。
その山頂にほど近い約400m付近に鎮座しているのが
「諭鶴羽(ゆずるは)神社」です。
太平洋を望む南側の山肌にひっそりと佇む古社で
神社に伝わる「諭鶴羽山縁起」によると、およそ二千年前の
第九代開化天皇の時代に開かれたとされています。
祭神は
伊弉冉尊(いざなみのみこと)
速玉男命(はやたまおのみこと)
事解男命(ことさかのおのみこと)の三神。
自然崇拝に始まったとみられる諭鶴羽参りは
平安時代の歌人、清少納言の「枕草子」にも
「峰はゆずるはの峰 あみだの峰 いや高の峰」と記されるほど
人々に崇拝され、熊野三山と並んで修験道としての隆盛を誇りました。
諭鶴羽神社は、和歌山県の熊野三山とも縁が深く
熊野の神は、この諭鶴羽山から渡って行ったと伝えられることから
元熊野宮とも呼ばれています。
神話には、第十代崇神天皇の治世に、西天竺の霊神が
『我が縁のある地に留まれ』と誓い
五つの剣を東に向かって投げたそうです。
一は、紀伊国、熊野三山に
一は、下野国、日光山に
一は、出羽国、出羽山に
一は、豊前国、彦山に
一は、淡路国、諭鶴羽山に留まったと伝えられています。
また、長寛元年(1163年)に書かれた『長寛勘文』の
「熊野権現御垂迹縁起伝」には、
甲寅の年、唐の天台山の霊神が九州筑紫国、英彦山の峰に降臨し
戌午の年、伊予国、石鎚山の峰に渡り
甲子の年、淡路国、諭鶴羽山の峰に渡りその後
庚午の年、熊野親宮・神蔵の峯へ渡られたと伝えられています。
↑宝剣を祀る塚
諭鶴羽神社の境内神域は国立公園特別地域で、
社叢(しゃそう)林の「アカガシ群落」は
兵庫県指定天然記念物に選定されています。
また「親子杉」は兵庫の巨樹巨木に指定され
近畿百名山、ふるさと兵庫50山、ひょうごの森百選にも選ばれています。
↑兵庫の巨樹巨木に選定された推定樹齢400年の「親子杉」
諭鶴羽神社の境内にある「タブの森」では
お正月に一年間の無病息災を願い
古木でお餅を焼いて食べる風習があります。
↑境内のタブの森には、たき火用の古木やブロック、イス、金網が用意されており
参拝者がそれぞれ火を熾しお餅を焼いて食べます。
ここで、もう一度
初日の出が海の上に登るまでの穏やかな風景をご案内しましょう。
↑うっすらと採光が差し雲の向こうに暖かい光が見え始めました。
いよいよ夜明けです。
↑一瞬、空の色が深い青から薄いえんじ色に変わりました。
夜明け前のこの薄いえんじ色は、はねず色といって縁起の良い色なんですよ。
↑そしてまた空が青くなり、海の上にご来光が見えました。
↑白いレースカーテンのような薄雲の向こうで
太陽が暖かな光を放ち、海にオレンジ色の輝きを与えています。
海と空が青々と活気づいてゆきます。
ちなみに、右端に見えている勾玉の形をした島は「沼島」といって
伊弉冉尊(いざなみのみこと)と伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が
巨大な柱の周囲をまわって婚姻を行ったといわれる
上立神岩がある島です。
淡路島には、古事記に記された国生み(くにうみ)神話があり
伊弉冉尊と伊弉諾尊が国土創世の際
「天の沼矛(ぬぼこ)」の先から滴り落ちた滴が固まりできた
おのころ島とも呼ばれています。
皆様のもとに
伊弉冉尊と伊弉諾尊、熊野神の
ご加護があらんことをお祈り申し上げます。
今年も良い年でありますように。
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