2012年09月07日

スティーブ・ジョブズ氏をも魅了した「西芳寺(苔寺)」


行けそうで、なかなか行けない、でも行ってみたい「西芳寺(苔寺)」。
たまに、そういう風に言う人を見かけます。

その理由は・・・、
京都の寺院では、めずらしい予約制だから。

予約方法や拝観料については
後ほど紹介するとして、拝観順が前後しますが
まずは「西芳寺(苔寺)」の庭園の魅力を、とくとご覧あれ!


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↑庭園への入口です♪ここへ初めて来たのは十数年前、何度来てもワクワクします

庭園に入ると、お坊さんが苔の種類や名前
造園に関する意味など庭園について
短い時間ですが説明をしてくださいました。

日本人はもちろん海外からの参拝者もいらっしゃって
お坊さんに色々、質問されていましたが
親切丁寧に応えられていましたよ。


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私にも気になることが・・・。
他の参拝者がたくさんいる中で聞くのは気がひけたので
人がいなくなるのを待ってお坊さんに、こっそり質問しました。

「噂で、アップルの創設者スティーブ・ジョブズさんが
プライベートで、西芳寺に来たと聞いたのですが本当ですか?」

明確なコメント内容は差し控えますが
答えは「Yes」でした!噂は本当でした。

スティーブ・ジョブズ氏の一家が眺めた苔の庭園を
皆さんもぜひお楽しみください!(ちょっとミーハーですが・苦笑)


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西芳寺の歴史
飛鳥時代、聖徳太子の別荘があったとされ、
奈良時代、行基によって別荘から寺院へと開創し、
室町時代、高僧であり作庭の名手だった夢窓疎石(むそう そせき)を
招請して禅寺として再興。

足利義政が銀閣寺を建てるとき
西芳寺の庭や建物を見本にしたことでも知られています。


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ビロード苔、スギ苔、ヒノキ苔など
約120種の苔が庭園を覆う西芳寺は、
緑の絨毯のような美しさから苔寺とも呼ばれています。

もともと枯山水の庭園だったのですが江戸時代末期ごろから
苔が庭園を覆うようになったそうです。

庭園(史跡・特別名勝)は、上下二段構え。
上段は枯山水、下段は池泉回遊式庭園で
黄金池は「心」の字を描いています。

この黄金池で、真言宗開祖である空海が放生会を行ったといわれます。

池の南岸には幕末に、岩倉具視が
隠れ住んだ湘南亭(重要文化財)があります。


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↑地面をなめらかに覆うビロード苔

聞くところによると
苔の管理は、結構大変なんだそうです。

湿気を好む苔ですが、
できるだけ自然の営みに任せたいとの思いから
日照りなど、よっぽどのことがない限り
水道水を使わず、雨だけで苔の管理をしているそうです。

また、園内に入ってくるタヌキやイタチ、イノシシ、サルなどの
野生動物たちの糞尿で苔が茶色く変色し、
枯れてしまうことがあるそうで、その対策にもおわれるとか。

苔の上に落ちた枯れ葉は、苔を傷めないように
柔らかい箒を使って掃くのだそうです。


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約9千坪の庭園は、四季を通じて様々な風景を見せてくれます。
とりわけ美しいのは、雨に濡れた苔の緑が一段と際だつ「梅雨時期」と
彩られた葉と苔のコントラストが見事な「紅葉の季節」!!


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↑岩倉具視が隠れ住んだ湘南亭(重要文化財)

西芳寺は、上賀茂神社、下鴨神社、東寺、金閣寺、銀閣寺などと一緒に
1994年「古都京都の文化財」として、ユネスコの世界遺産に登録されました。


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園内には、苔と共に大きな樹木も見ることができます。
この風景も素晴らしかった!


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悠々とした大樹を眺めていると
森の中にいるような気になります。


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↑真っ直ぐ上へと伸びる木々と苔が水鏡に映える

今日のような風のない日は、水面が鏡のように
美しい風景に広がりを与えています。
まるで、水中にも庭園があるかのようです。


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↑池の中には3つの小島があります

島へ渡る小さな橋が架かっていますが
誰も渡らないので、橋の向こうは苔で覆われ道がありません。


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↑岸に寄せられた小舟

映画のワンシーンのように
見る人それぞれの頭の中で小さな物語が始まる。
そこに浮かんでいるだけなのに不思議な世界観です。


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庭園の中というより、森の中のような風景です。

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ゆったりと包み込むような緑と木立。
何かが伝わってくるのに、その何かが分からない。
でも、温かいものだということだけは分かる。


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庭園を巡る間、何も考えていなかったことに気付いた。
これを「無」の状態というのだろうか。

心にこびりついた余計なものが、ビリビリ剥がれていく感覚。
たぶん、これからの私には不要なものなんだ。


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↑「西芳寺」入口の衆妙門

ここから、話しは変わります。
行けそうで、なかなか行けない「西芳寺(苔寺)」への
予約方法と参拝の流れについて紹介いたします。

参拝希望は「西芳寺参拝係」へ往復ハガキで
拝観希望日(第一希望・第二希望)・参拝人数、
代表者の氏名・住所・電話番号を明記し郵送。
ちなみに、時間指定はできません。

拝観の1週間前までに、ハガキが返信され手元に届きます。
これが拝観証になるため当日持参してください。
拝観料は1人3000円です。


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 衆妙門の左横の白壁をよくご覧ください。
 五つの横線が入っているのが分かりますか。

 この五つの横線は、天皇家ゆかりの
 寺院で見られるものなんですよ。

 寺院以外では、京都御所で
 見ることができます。


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 これから、寺院を参拝するときは
 壁もちょっと気をつけて
 見てみてください。

 色々、発見があって楽しいですよ!

 西芳寺では、瓦にも
 お寺の名前が入っていました!
 こだわりがスゴい。



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↑衆妙門をくぐり中へ進むと本堂が見えてきます

本堂の前では、お坊さんが「おはようございます」と
気持ちの良い挨拶で出迎えてくれます。

この本堂で、住職さんの説法・般若心経の唱和・写経などを
行ったのち庭園の見学となります。
(ちなみに、庭園だけの拝観は行っていません)

写経に書いた願い事は、祈りを込めて
本尊に永久奉納してくれるという本格的なもの。
そういった機会がなかなかないので、
貴重な体験ができました。ちょっと嬉しい。

聞くところによると拝観は1日1回で定員150名だとか。
景観の良い梅雨や紅葉の時期は、すぐ満席になるそうです。
シーズン以外でも1日100人前後の予約希望があり
日々、多くの人で賑わっているようです。



タグ:京都
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一休禅師ゆかりの寺「地蔵院(竹の寺)」


京都市西京区の鈴虫寺から歩いて5分程の所に
一休禅師修養の寺「地蔵院(竹の寺)」があります。

鈴虫寺から西芳寺へ向かう途中に、看板が出ています。

1つだけ願いを叶えてくれる「鈴虫寺」
 ←クリックするとページが開きます♪
スティーブ・ジョブズ氏をも魅了した「西芳寺(苔寺)」は ←クリックするとページが開きます♪
本ブログ内でも紹介しています。

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↑この階段を登り、民家が建ち並ぶ道をまっすぐ進むと
 右手に「地蔵院(竹の寺)」が見えてきます。


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↑「地蔵院(竹の寺)」の総門へ続く参道
 木々が生い茂り、空気の澄んだ静寂さが漂います。

人が少ないので、とても気持ちよく
色んなものが荒らされることなく、そのまま原型をとどめている、
そんな気さえします。


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この場所はもともと、衣笠内大臣といわれた
歌人・藤原家良(1192〜1264)が山荘を営んでいた場所。

家良の没後、室町幕府の管領
南北朝時代の武将・細川頼之(1329〜1392)が
夢窓疎石(むそうそせき)の弟子・宗鏡(そうきょう)禅師を
招き建立しました。

※夢窓疎石(夢窓国師)とは、鎌倉時代から室町時代の著名な禅僧。
各地を巡遊、寺を開基。自らも作庭を行ったことでも知られ
京都市内では、西芳寺(苔寺)、天龍寺の庭園などが有名。


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↑総門の向こうに竹林が見えます

一休禅師(1394〜1481)は、後小松天皇のご落胤といわれ
この寺院にほど近い民家で生まれたとされています。

安国寺に入門する6歳まで、この寺院で修養したそうです。


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↑竹林の参道

とても静かな侘び寂びの世界。
聞こえるのは、風に揺れる笹の葉音と竹のしなる音。
少しずつ気持ちが落ち着いていくのが分かります。


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↑本堂が見えてきました

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本堂には、本尊地蔵菩薩や細川頼之公、
夢窓国師とその高弟・宗鏡禅師の木像が安置されています。

細川氏と関係の深い寺院だったことから、
当時の朝廷の信仰も厚く、室町時代には
京都五山に匹敵する特権を与えられ、
多くの寺領が寄進され、隆盛を極めたといいます。


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↑「十六羅漢(らかん)の庭」へ続く二の門が見えます

このお寺の見所は、他にもあります。
それは、京都市有形文化財指定の方丈(建物)と
京都市登録名勝指定、宗鏡禅師作の「十六羅漢(らかん)の庭」。

スギ苔が覆う庭に羅漢を意味する十六の石を配した
平庭式枯山水庭園です。

※羅漢とは、初期の仏教では、修行者の到達し得る最高位を
このように呼び、尊敬や施しを受けるに相応しい聖者を指す。
インドの宗教一般では「尊敬されるべき修行者」を意味します。


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↑苔と木々に包まれた境内

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↑この門の中に、方丈と十六羅漢の庭がありますが
 ここから先は撮影禁止のため本ブログではご案内できません。

建物内は、しっとりとした落ち着きと風格が漂っていました。
お庭と建物の調和が素晴らしかった!

建物の中には、建立した細川家の家系図などがあり
細川ガラシャや第79代・元内閣総理大臣の
細川護熙氏(1993年8月就任)の名を見ることができました。

今でも、細川家の方々が参拝にお見えになるそうです。



タグ:京都
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わらじを履いたお地蔵さん「鈴虫寺」


京都市西京区、松尾山麓に佇む「鈴虫寺」。

1つだけ願い事を叶えてくれることで有名な
わらじを履いたお地蔵さんのいる禅寺です。

最寄駅の阪急嵐山線「松尾」駅で降りると
踏切の向こうに桂川が流れ
白い入道雲がモクモクと立ちのぼる夏空が広がっていました。


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↑桂川と入道雲

これから向かう鈴虫寺の周辺には
一休禅師ゆかりの寺「地蔵院(竹の寺)」
 ←クリックするとページが開きますよ♪
スティーブ・ジョブズ氏も魅了した苔の庭園「西芳寺(苔寺)」 ←クリックするとページが開きますよ♪
などがあります。

この2ヶ所については、次回のブログで紹介しています!


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↑西芳寺川

鈴虫寺へは、途中から西芳寺川に沿って進みます。
川の両岸には青モミジや桜の木々が生い茂り
川面は澄んだ水をたたえています。

春の桜、夏の緑、秋の紅葉、冬の雪景色といった
四季折々の風景が楽しめそうな道です。

ゆっくり歩いたので少し時間がかかりましたが
鈴虫寺に到着です。


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↑木々に埋もれるように上へと80段の石階段が続きます

正式名称は「妙徳山 華厳寺(みょうとくざん けごんじ)」といいます。
秋だけでなく、四季を通じて鈴虫の音色を聞くことができることから
「鈴虫寺」の名で親しまれています。


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↑なにやら凄い人だかりです

今日は、平日なのでそれほどでもありませんが
土曜・日曜・祝日は、石階段の上から下まで
ずら〜りと行列ができるそうです。

集中するときは、階段を降りて少し進んだ華厳寺橋まで
行列が伸びるのだとか。。。人に聞いた話では
20年近く前には、すでにこの人気ぶりだったようです。


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↑鈴虫寺 山門(入口)

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↑日本で唯一わらじを履いたお地蔵さん(幸福地蔵菩薩)

右手には錫杖(しゃくじょう)、左手には宝珠(ほうじゅ)を持ち
みんなの所へ願いを叶えに行けるように、わらじを履いています。

願い事をするには、ただ手を合わせればいいだけではありません。
ちゃんとした作法があるんですよ!!

その方法は、鈴虫寺の名物<鈴虫説法>の中で
教えてもらえるので、ご安心を。


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↑入口の山門をくぐり中へ進みます

正面の建物の中に入ると、聞いたことがないくらい大きな音色で
リイーン、リイーンと鈴虫が鳴いています。
(建物の中は撮影禁止のため写真がありません)

それもそのはず、ケースの中にいる数千匹の鈴虫が
一斉に鳴いているのです。

静かな夜道、どこからともなく聞こえてくる
あの情緒あるか細い音色とは違い、活気づく音色でした。

テーブルにつき、しばらくするとお茶と菓子が運ばれ、
鈴虫寺の名物<鈴虫説法>が始まります。
時間にすると20分〜30分ぐらいだったかと思います。

日替わりなのか、1回ごとなのか順番は分かりませんが
住職や副住職をはじめ数名のお坊さんが
お寺のことやお参りの仕方、
日々の心の持ち方についてお話ししてくださいます。

その話しっぷりは、まるで落語を聞いているかのよう。
面白くユーモアたっぷり、そしてちょっぴり皮肉を交えながら
リズミカルにお話してくださるので、あっという間に終わってしまいます。

遠方から何回も通ってくる人がいるほど、人気の説法です。


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↑境内の植物

説法の中で、年齢問わず
神社とお寺の違いやお札とお守りの違い、
それぞれのお参りの仕方を知らない人が増えた、
ともおっしゃっていました。

皆さんは、神社とお寺の違い
それぞれのお参りの仕方をご存じですか。

最近どのお寺でも建物や庭を眺めて帰るだけの人が多く
せっかく来たのに、手をあわせてお参りする姿を
見ることが少なくなりました。

神社仏閣に行かれたときは
感謝の気持ちとお礼の意味を込めて
お参りされてみてはいかがでしょう。


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↑境内のお庭を散策

説法が終わり、ずら〜りと並んだ
次の参拝者の行列を横目にお庭の散策です。


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↑境内のお庭を散策

説法を聞いたあとだからでしょうか。
見るもの、聞こえるもの、触れるものが
いつもより鮮明に感じます。

山門をくぐり石階段を下り垣根越しに横を眺めると
まっすぐ伸びる鮮やかな青竹が広がっていました。
こんなキレイな竹林は始めてです。
感動でしばらく、呆然。。。


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その時、その場所で楽しめることがある。
問題はそれに気づけるかどうか。




タグ:京都
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